2000.12.17更新

第18回にいがた映画塾定期上映会 CineVan! 2000&

懐かしさ、息遣い、記憶

 みぞれ混じりの雨も降るあいにくの天気ながら、2回の上映で合わせて約130人が来訪。年齢層は幅広く、「阿賀に生きる」で長く新潟に住み込んだ佐藤監督と談笑する姿も見られた。

佐藤真監督あいさつ=写真上

「誰かが見た夢のような映画を狙った。牛腸茂雄さんの写真は、牛腸しか人間関係が分からない私的な世界なのに私たちとも関係があるように見えて来るという不思議な世界。映画もそんな作品にしたかった。あまり難しいことは考えず、ボーっと見てもらえればうれしい」

牛腸茂雄の写真家同期で友人・三浦和人あいさつ=写真下

「この映画を見て、牛腸がすぐそばにいるような錯覚にとらわれた」

アンケートから

■一作ごとに変貌する佐藤監督には驚きます ■こんな映画撮ってみたい ■ちょっと眩しい光の具合とあせた色合いが心地よく懐かしい。あんな光のところで昼寝したくなりました ■写真の美しさ、鋭さ、音がしみた ■自分の子供のころの写真を見たり、夢を見たりしているようでした ■牛腸さんの呼吸が感じられるようでした ■ほのぼのとしているけど厳しさのある作品でした ■私は田村さんのカメラワークが大好きで、『S&O』はその中でも1番好きな作品になりました ■牛腸さんの不思議で、少しもの悲しくなる世界が好きになった ■一瞬の時間を切り取るという写真の面白さがあらためて感じられた。その時間は二度と戻ってこないという点で、もっと今を大切にしなければと思った ■自分が子供のころ、父母、周りの人にたくさん愛をもらっていたという実感を思い出しました

 

■監督:佐藤 真 ■ユーロスペース制作・2000年

■カラー16ミリ 53分

■製作:堀越謙三 ■撮影:田村正毅 ■録音:菊池信之 ■音楽:経麻朗

■声:西島秀俊・牛腸茂雄 ■スチール:三浦和人 ■編集:宮城重夫

■資料調査:大倉宏■撮影助手:池内義浩 ■編集助手:長坂智樹

■助監督:吉田賢一

 

主催:にいがた映画塾・新潟絵屋 お問い合わせ:にいがた映画塾 TEL&FAX 025-248-9088/新潟絵屋 TEL&FAX 025-222-6888


まなざしの写真家

牛腸茂雄という写真家がいた。

その透明なまなざしに見返されていると、人と人の繋がりの綾も日常を切り裂く闇も、まるで“わがこと”のように見えてくる。

この映画は夭折した写真家の評伝でも作家論でもない。牛腸の残した写真のそのまなざしに魅き込まれて、ただジーッと眺めていたいと考えた作品だ。

佐藤 真

 

シネバン2000最終回は“まなざしの映画”
映画塾の定期上映会「シネバン2000」は12月13日(水)、映画監督佐藤真さんの新作「SELF AND OTHERS」の完成試写会を行います。加茂市出身の写真家、牛腸茂雄さんを題材にしたドキュメンタリー作品で、佐藤真さんのトークもあります。新潟市民芸術文化会館スタジオBで午後6時50分と8時10分の2回上映します。

佐藤さんはドキュメンタリー映画「阿賀に生きる」で、新潟ではおなじみの映画作家。「SELF AND OTHERS」は、出来立てホヤホヤの作品で、12月7日の東京でのプレミア上映に続き、いち早く新潟での上映が実現します。

作品のタイトルは、1983年に36歳の若さで死去した牛腸さんの、同名の写真集から名付けたもの。加茂市や都内各所など、牛腸さんゆかりの地を訪ね、残された草稿や手紙と写真をコラージュすることで、牛腸さんが写真表現を通して追求してきたものを映画に取り込もうという試みです。まなざしは言葉に出来ない。だから写真を撮る、という牛腸さんの世界を、果たして佐藤さんは映画という別のまなざしに溶け込ませることが出来たのでしょうか。

撮影は、最近は若手の青山真治監督と組み、「ユリイカ」などで斬新な映像を生み出した田村正毅さん。録音は諏訪敦彦監督「M/OTHER」の菊池信之さん。制作はユーロスペースです。料金は1000円。お問い合わせは映画塾、025-248-9088まで。メールはこちら

なお、1月の五十嵐匠特集から始まり、7回開催した「シネバン2000」は今回で終わりです。みなさんのおかげで、1回も赤字を出すことなく上映を成功させることが出来ました。2001年となる来年からは「シネバン01(ゼロワン)」(仮名)として、新たなスタートを切ります。21世紀のシネバンもご期待ください!

共催の新潟絵屋では写真展も開催

12月12日〜20日

「SELF AND OTHERS」上映会は、新潟の下町(しもまち)にある新感覚のギャラリー「新潟絵屋」との共同企画です。絵屋で12月12日から20日まで開く「牛腸茂雄写真展」と連動し相乗効果を狙うとともに、「牛腸茂雄」という地元出身の写真家を広く知ってほしいという願いがあります。

 牛腸さんは1946年加茂市生まれ。桑沢デザイン研究所写真科を卒業後、建築事務所などで働きながら、個展で写真を発表。83年心不全で死去後、90年代に写真評論家・飯沢耕太郎さんらが注目し、再評価の機運が高まっています。

 絵屋での写真展では、写真集「SELF AND OTHERS」を中心とした作品を展示、販売します。午前11時から午後6時まで開館(最終日は午後5時終了)。なお、絵屋会員は上映会を八百円でご覧になれます。詳しくは新潟絵屋、電話025-222-6888まで。所在地は新潟絵屋ホームページへ! こちら

 

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