99.2.28


「シンク」上映

映画館あふれる!

急きょ2回上映に

 村松正浩監督「シンク」が99年2月28日、新潟で初上映された。会場の新潟市民映画館シネ・ウインドには200人近くの観客が押し寄せ、場内に入りきれない事態に。急きょ村松監督のティーチインの後、2回目の上映が行われることになり混乱は起きなかったが、故郷・新潟での予想以上の反響に、村松監督も終始顔がほころびっ放しだった。写真=観客の質問に答える村松監督

 シンクは、アジアを中心に話題の映画を上映する「にいがた国際映画祭」の最終日に特別上映の形で公開された。にいがた映画塾が同映画祭実行委員会に「売り込み」、実現したもの。午後5時上映開始のところ、映画館の前には1時間ほど前から20代を中心に130人ほどの観客が並んだ。ウインドの座席数は86席。立ち見でも入りきれないことが分かったため、実行委はあわてて午後7時の回を設けた。写真=立ち見も出た場内

●ウインド上映は夢でした

 上映後のティーチインでは、村松監督は「僕が唯一の文明との接点だったウインドで上映してもらえて光栄です。ずっと夢でした」とかみしめるように話した。

 前回「手の話」は16ミリだったが、今回家庭用のデジタルビデオで撮ったことについて「予算の問題、そのときのスタッフの状況を考えるとフィルムは難しかった」とフィルムに対する未練はあったという。

 とはいえ「やりたいストーリーがガンとあって、それを伝えられるなら(撮影フォーマットは)何でもいいじゃないかと思って、シンクはビデオを前提に書いた。ビデオでやるからビデオの文法にしたので、もしフィルムだったら文法も違ってくる」と決してフィルムの「代用」としてビデオで我慢したわけではないと強調する。

 シンクはテレパシーのような不思議な力が、突然身に付いた3人の若者の物語だが「例えば、本当に超能力を持っている人がいて、そこにカメラを持った人がたまたまいて記録しているんだなと、シンクを見たお客さんが思ってくれたら勝ちだな」と、演出にもビデオの特性を生かすように心がけたという。

●親の借金はハナクソ!?

 場内には映画塾でお馴染みのカメラマン・小林茂さんもいた。小林さんからの「脚本の発想の原点は?」という質問には「僕が普通にしゃべっても、どこまで僕の真意が伝わるのか不安でならないんです」という。「だからもしテレパシーが急につながって、誰かのつぶやきが聞こえても、それで本当に分かり合えるのか。そういう思いを否定も肯定もせずに描きたかった」。

 

 「制作費はいくらだったか」という質問には、ちょっと答えに詰まり「大卒の初任給よりちょっと多いかなというところ。ハナクソみたいな額です」と言った後「まずいな、親も会場に来ているんです。親からお金借りたのに」と場内を笑わせた。

 次回作については「最近企画が通りました。劇場用にフィルムで撮ります」と宣言。会場のエールを込めた拍手に包まれた。

 なお、村松監督は映画塾のビデオライブラリーに「シンク」と「手の話」の2本のコピーを寄贈してくれることを約束してくれた。

写真上=村松監督(右)と司会のナシモトタオ氏、同下=村松監督にサインを求めるファンも

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シンクの公式ホームページ


シンクの告知ニュース(99.1.22)

新潟市出身の新鋭・村松正浩監督の作品「シンク」が、99年2月28日(日)にいがた国際映画祭で特別上映される。新潟では初公開。当日は村松監督も「凱(がい)旋」し、ティーチインを行う。

 シンクは「テレパシーのような」不思議な力で結ばれた3人の若者が、「会話」を続けながらそれぞれの人生を送っていく物語。だれもが言葉にできないささやかな思い、小さな不安、切ない気持ちをデジタルビデオを駆使した独自の映像文体で表現している。次世代の映画形態を予感させる革新的な作品として97年の「ぴあフィルムフェスティバル」でPFFアワード'97グランプリを受賞。東京のBOX東中野でロングラン上映されている。

 村松監督は99年の正月、ぶらりと映画塾事務所を訪れ、映画塾スタッフと酒を飲み交わしシンクへの熱い思いと新潟上映への期待を語っていった。今回、上映後の村松監督のティーチインでは、そんな肉声と新潟へのメッセージも聞くことができそうだ。

上映:2月28日午後5時(6時半から村松監督ティーチイン)

会場:新潟市民映画館シネ・ウインド

料金:前売り800円(その他映画祭を通してみられるフリー券などもあります)市内主要プレイガイドで発売中。

問い合わせ:にいがた国際映画祭実行委員会(025-225-2727、025-226-2053)

シンク(97年、VTR、カラー、1時間25分)

制作・配給/Smalllight Pictures

写真・資料提供/(株)ぴあ


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