にいがた映画塾コム 2000.7.26

Full Version
音も映画も工夫次第
2000/07/23(sun) Chapter.11
写真=臼井氏(左)の講義と、実際にマイクで録った音をヘッドホンで聴く受講生
第5期映画塾11日目。映画録音技師の臼井勝氏を講師に招き「やりくり映画録音講座」と題して、映画塾初の録音講義と実習が行われた。臼井氏はプロの機材という想像もつかない物ではなく、手持ちの機材、または手の届く範囲のものを利用して、どれだけ良質な音を得ることができるかという点を中心に、経験を踏まえながらの説明が展開された。卒業制作の経過報告では、23日時点で複数のメンバーによる班ができあがったのは6組あり、欠席者も含めて依然6人がどの班に加わるか、態度を保留した。既に決まった組では、撮影準備が急ピッチで進行。気温も映画塾の加速度も急上昇。夏本番を目前に慌しい季節の到来となった。(TOM)
会場・万代市民会館
午後1時
予定の説明、講師紹介
司会:星龍雄
午後1時10分〜3時
「やりくり映画録音講座」講義
臼井勝(映画録音技師)
午後3時15分〜5時15分
同、ワークショップ
同上
午後5時30分〜6時頃
卒業制作途中経過報告
午後7時〜
駅南の中華料理店にて懇親会
映画における音の重要性は非常に大きい。同時に機材や技術・理論の面でも非常に奥が深く多岐に渡る領域でもある。今回の録音講座のテーマは、自主映画の世界での「やりくり」。臼井氏はまず、自身が撮影と録音仕上げで最近携わった自主の8ミリ映画「Love's Breath」(北風太陽監督)を上映してから、「プロの高品質な機材で作った音が良質なのは当然。身近なところでは例えば複数のMDを使い、台詞や効果音などをそれぞれ分けて録音した上で、それらを同期させて音を重ねることで凝った音作りも可能となる」と、MDを使った録音の裏技も披露した。
ワークショップでは、臼井氏自らがガンマイク(超指向性マイク)の付いたブーム(録音時に用いる長い竿)を操り、複数の役者に向けるマイク位置によって、音の聞こえ方が随分と違ってくることを順番に受講生全員にヘッドホンで聴かせた。さらに、臼井氏はプロ用のマイクと映画塾にある民生マイクを使って音の聞こえ方を比較。近くの音ではプロ用でなくてもそれなりに高品質な音声が録音できることを示し、「様々な種類はあるが、マイクは基本的に前方方向の音をよく拾う。目的の音に対して、マイク位置を適正にする工夫次第で音の質も上がる」と、マイクの特性をつかむことがいい音を撮る秘訣だと強調した。
![]()
写真=ワークショップでは、受講生が実際にブームマイクを操った
臼井氏はさらに冷房の音、人の足音、周囲の話し声、マイク自体の振りからくる音などの雑音が入らないように注意することも、録音では非常に重要であると締めくくった。ブームマイクを実際に持った受講生は音の違いに納得しながらも、慣れない作業に「重い」、「操作が大変」などの感想も聞かれた。
録音講座後、卒業制作の班としてまとまった6班それぞれの進行状態が各班の代表から説明された。欠席者を含め、卒業制作への方針が未決の者も存在し、班としてまとまったものもそうでないものも、今後の動向が気になるところだ。
◆◆Green Eyes◆◆
(または私的スタッフ奮闘日記) Green Eyes;STEP#10「Reason」(2000/07/23)なぜ山に登るのか?…そこに山があるから。理由は実に明快です。
ではなぜ卒業制作をするのか …?
ちまたはそろそろ夏休みの時期で、映画塾では卒業制作の季節です。
昨年の今頃を思い起こしつつ、第5期の様子を眺めています。正直言って、私は受講生がうらやましいです。これほど恵まれた立場はない。
自分の企画が通せた人は、時と運を得たという点で非常にラッキー。でも、そうじゃなかった人だって十分ラッキーですよ。わかります? 今回企画が通らないからって、チャンスがなかったと勘違いしないでね。
だって「今のままでは撮れない」とはよく言われているだろうけど、「撮るな」と言われた人います? 小言も苦言もツッコミも結局は撮らせてあげたい親心でしょ? 叱られているうちが花ってものよ。
ただし、せっかく周囲がこれだけ親切にお膳立てしてくれていても(と実感として気付くのは、多分第5期が終わってからだろうな)、それを生かせるかどうかというのは、受講生の意識の問題ですね。
具体的に何が問題かと言うと、撮影するということのリアリティーというのが、ほとんどのグループで感じられない。これは傍目で見ていてすごくコワイ。もっと言うと、私は危機感さえ憶えてしまう。きっと頭の中では妄想爆裂状態で、もうすっかりイメージは出来上がったつもりになっている方も恐らく沢山いらしゃるんだろうけど。
シナリオ、絵コンテ、香盤表、スケジュール表などの机上でのプラン。監督に撮影に役者などの役割分担、ロケハンにキャスティング…。これで段取りは終わったつもりでいたら、悪いけど甘い。それは、例えてみれば「点」のようなもの。
それを「線」でつないでさらにえいやっと三次元的に起こしてゆく力技が、本当の意味での段取り。たいていの班で抜けているのが、このマネージメントの部分だと思います。
一場面を作るだけでも、カメラ・照明など機材の取り扱いの確認と手配、画面に映る小道具の調達、と…いちいち挙げたらきりがないくらいにやらなければいけないことだらけ。本来なら撮影に必要なことは、全部自分達で何とか考えてやりくりするべきものなのです。
酷暑の中での撮影なら、役者の化粧なんて汗ですぐ崩れるし、日焼け対策だって必要…みたいな細かいフォローが意外と重要なのです。
まず、必要な物品や人手とか、考え付くだけ書き出してみることをお勧めします。
頭でわかった気になっても、実際は穴だらけです。経験的に、重箱の隅を突ついてほじってもまだ足りなかったです。風穴を通すくらいにしつこくやって、丁度いい加減となるでしょう。
そして、最も大切なことは「お願い」です。映画を作るというのは色々な人たちの力を借りることと同義です。協力というと聞こえはいいけど、実際は随分と迷惑や負担をかけてしまうことになります。人は将棋の駒ではありません。動かすのではなく「動いていただく」のです。感謝を忘れたら最悪です。
何らかの形であれ協力して下さる方々への拝み倒しも大事ですが、同じグループの仲間へのいたわりも忘れないで下さい。分担したそれぞれの役割は、撮影が具体的になるほどに責任が増大してゆきます。なるべく多くの仲間を集めて、お互いで支え合うのが望ましいです。余裕がなくなると段々と視野が狭くなり、周りが見えなくなります。それをお互いにカバーして行くプロセスはもちろん大変だし苦しいです。が、後から振り返るとかけがえのない思い出となっているものです。
なぜ、卒業制作をするのか? 理由なんて何でも構いません。
でも頑張ってやってみて下さい。2000年の夏休みは今しかないから…。
アンケート結果(23日)
■講義について金子 細かいところは分らないが大まかな流れはとても分りやすかった。
鴨居 わかんない用語がいっぱいで…勉強不足でした。
栗原 部分的にわかったりわかんなかったり…
小林景 機械のところがちょっとチンプンカンプンでした。
三條 難しかった。
品田 録音のしくみがなんとなくわかった。
高木 自分がバカなのか、言っている事がわからない。
田中 専門的な話でしたが、おもしろかったです。
水上 わかったようなわからないような。
■ワークショップについて
金子 実際にマイクでとった音をヘッドフォンで聞いて、自分の耳で実感することができた。
神野 音の重要さに気づいた。
栗原 勉強になりました。でもこれは経験が大きいんだしょうね。
小林景 ちょっと難しいんですね!
三條 すごく音がよく聞こえた。雑音だらけなんだなぁと思った。
品田 ガンマイクかっこいい。
高木 録音で気をつけなければいけないことがわかって(おもしろかった)
田中 ヘッドホンをしていると違う世界にいるみたいで、はずしたくなかった。
■その他
金子 若くて明るい感じの人が講師だと楽しくなるなあと思いました。
田中 先生の話が実体験に基づいていて、おもしろかった。
米山 録音の話が聞けておもしろかった。聞けて良かった。
■全体の感想
石井 ケーブル切ってほぐすとか、プラグを調達するとか、デッキを集めるとか、多重録音とか昔を思い出して泣けました。
金子 メンバー等で、誤った情報が飛び交ったり、連絡をきちんとしてなかったり、自分の中で、頭に来る人と、すまないと思う人がいる。
神野 無断遅刻してすいません。
鴨居 もうちょっとお勉強します…。それかみなさんに聞きまする。
栗原 今回もこん親会に出れずに残念でした。
高坂 音も大事だと言う事がわかった。
坂上 ナグラが見たかった。
三條 おもしろそうだけど、やはり力仕事。体力が必要だ。
田中 音に興味をもちました。人間の耳とヘッドホンでは聞こえかたが違って、すごくおもしろかったです。遠くと近くが逆になったりしておもしろい。
松本 今まで同様、現場で録音を考えてなかったのか、よい機会でした。
米山 うすいさんの話が楽しかったです。「技術も体力もすごいんだろうな」というのが一番の感想です。録音て大変そうだなあと思いました。
■質問
神野 卒制 なぜスタッフの重複ができないのですか?
品田 撮影日は土、日以外でもいいのですか?
田中 製作を2またするのは大変だと思うんですが…迷っています。