にいがた映画塾コムworkshop

 

シナリオ講座ミニコンクール

木澤さん(上越市出身)「ホーム・ラン」に大賞

2001年にいがたシナリオ講座の受講生によるミニコンクールの結果がこのほど決定、大賞には上越市出身の木澤美恵子さん(25)の「ホーム・ラン」が決定しました。

ミニコンクールは、シナリオ講座の卒業制作を兼ねて行われたもの。原稿用紙60枚以内で、9編が提出されました。「ホーム・ラン」は野球好きで娘に茂三(しげみ)と名付けてしまった父親と、その厳格さに反発しながら自分の夢を追い求めていく娘、そんな父娘の関係を丹念につづった作品です。

木澤さんは大学を卒業後、現在、新潟市内にお勤めです。シナリオ執筆は初めてです。映画、演劇が好きで、週一本ペースでどちらかを見ることにしているとか。今回の受賞について「ダメ出しをいっぱいもらったので、今でも信じられません。今度は家庭もの以外のものに挑戦してみたい」とコメントしています。

2001年のシナリオ講座は、5月19日からスタートし、7月28日まで、隔週土曜、全6回の日程で行われました。シナリオをほとんど読んだこともない20人の受講生は、句読点の使い方に始まり、創作の心構え、構成方法などを学習しました。講座の到達目標レベルは、一般公募(200字詰め、120枚)に挑戦できることを目標としました。

にいがたシナリオ講座ミニコンクール大賞

「ホーム・ラン」をダウンロードして読むことができます!(AcrobatReaderが必要です)

こちら! (156K)

お断り:このファイルをダウンロードして読んだり、プリントアウトすることは自由ですが、全文や一部、アイデアなどの一切を無断で流用することは著作権の侵害に当たりますので固くお断りします。

なお、この作品を読んで、「俺、撮ってみたいな」「監督やってみたいな」と思われた方は当HPにご連絡ください。こちら


◇講評◇

そこに「私」がいるか

司 貴志

 今、私の目の前に製本された九篇のシナリオの作品があります。今年のにいがたシナリオ講座受講生の卒業コンペの作品です。シナリオなんて読んだこともない人達が、三ヶ月という短い期間ではありましたが、どうにか作り上げたものです。まずは、その心意気に拍手します。
 十編殆どが拙く、また特別に秀でた作品はありませんが、スタッフとも協議の末、木澤美恵子さんの「ホームラン」を入選としました。格別な視点、目新しいモチーフはありません。しかし、入選には明確な理由があります。

 私は、稚拙だろうが、巧かろうが、作品というものには、「私」がいなければ価値はないと思います。表現者は、それを掴むために日夜しん吟しているのです。木澤さんの作品には「私」がいます。美人とは言えないが、自分を信じて精一杯に生きていこうとする、けなげな主人公の姿から、作者が伝えたい思いが伝わってくるのです。

 表現者には「センス」とか「(若い)感性」が必要と云われます。ですが、「センスに溢れている」とか「若い感性に満ちている」とおだてられて、一体、何人の若人が自ら潰れていったことでしょう。「センスが良い」の裏返しはちょいと目端が効いて小器用、転じて器用貧乏。「若い感性に溢れている」、若さ無くせば只の人(ならまだ良いのですが全く常識知らずで、はたまた尊大な愚か者)。センスとか感性とか実体も無いのに巷に溢れている言葉に振り回されてはいけません。一番大事なのは「心」を伝えることです。伝えようと前向きに努力することです。その心がけを持てば、かなり自分の態度が変わってくるはずです。まず、「私」というものを他者に対して開いていくでしょう。決して自分(あるいは自分の仲間達)だけ解かればよい、他人に理解してもらえなくても結構と嘘吹いたりはしない。より多くのことを、数多くの人に、効果的に伝えようと考えます。すると、自分の語彙力の不足、表現技術の拙さを自覚します。そうして、人は表現を学ぶのです。「心」に裏打ちされてこそ技術です。センスが良いと言うのです。だから、みずみずしい作品が出来上がるのです。       

 決して小手先の技術でやっつけて、薄っぺらな作品にしてはいけない。独り善がりに頭の中だけで台詞を捏ね繰り廻したりもしない。魂を込めた、真の技術を持った作品に出会った時、人は静かに涙するのです。

 そんな作品を書いてみたいと思いませんか。

workshopへ

トップページへ